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※俺をもっと欲しがって。

眠い…。 暖かくなった布団にくるまるこの時間が好きだ。 肌触りのいいタオルケット、もこもこした敷布団。柔らかく肌触りのいい物に包まれるのは本当に気持ちいい。 ギシリとベッドが鳴いて侑司が隣に滑り込んできた。 温かい腕がとても大事な物を引き寄せ抱くように俺に触れる。 「遥さん…眠いですか?」 「ん…眠たい」 ふふっと耳元で笑った唇がそのまま耳朶を軽く食む。 「ん、……するの?」 「でも遥さん眠たいんでしょ?少し触るだけ、いいですか?」 「ん……」 同じシャンプーやボディーソープを使っているのに、侑司から香るのは俺と少し違う匂い。 その匂いがホッと息をつける。 と、同時にこういう時は興奮の材料にもなるから不思議だ。 「遥さん、いい匂い…」 セックスする時の侑司の声が好きだ。 いつもの声ももちろん好きだけど、こういう時の声はいつもより甘く低く俺をさらに揺さぶる。 俺が欲しくてたまらない、と名前を呼ぶ声が告げている。 「あっ……侑司」 「遥さん、声可愛い、もっと聞かせてください」 「そんなの、お前次第だろ」 「ん?」 顔だけを後ろに向け、侑司の頬に擦りつける。 「声聞きたかったら我慢できないほど気持ち良くしろよ」 「……勝負しますか?」 「…………勝てよ」 眠たいところを邪魔されたんだ、意識飛ばすくらい気持ち良くしてもらわないと。 「もちろん勝ちますよ」 侑司の声が一段と蕩けるように甘く響いた。

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