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俺、正直になっていいですか。

解決したようなしてないような複雑な気持ちを抱えた俺を、はよ帰りと追い出すようにして店から出すと華さんがにこりと微笑む。 本当に見た目はレッサーパンダで無敵に可愛い。 「もう侑司くんとしかせんのやろ?この先」 その覚悟なんやろ?と重ねて尋ねられて、うんと頷くと、バシンと背中を叩かれた。 「できるのなんかあとちょっとなんよ?老いたらしたくてもできんなるんやけん。それまでに二人でいくらでも好きにやったらいいやん、もったいない」 我慢するだけ損やろ、とからからと笑う。 「侑司くんは遥くんの三倍はしたいと思ってると思うよ。聞いてみ?一人でしてる?って」 四六時中一緒にいてそんな暇があるのか。 そもそもそんなこと訊けるか。 ニコニコと笑うレッサーパンダと別れた俺は、休みなく一ヶ月働いたような疲れを抱えて事務所に戻った。

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