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俺はお前がいいんです。

会社恒例の飲み会。 いつものように酔っ払った誠一さんを真由ちゃんが叱りつけながらタクシーで連れ帰り、呆れ顔の響子さんと満腹でニコニコの泰生さんが帰り、侑司と二人。 「アイスが食べたい、アイスコーヒーが飲みたい」 そう言った俺のためにいつものコンビニに寄った。 昼間ならいつもいる愛ちゃんがいない。 こんな時間に来ることはほとんどない。知っている顔がないだけで違うコンビニのようだ。 どれにします?とアイスが入った平台の冷凍庫を覗きこみながら侑司が聞く。 ネクタイを外しボタンを2つ外した侑司からフェロモンみたいなモノを感じる。 くっきりと浮いた鎖骨、首筋から伸びた筋が鎖骨へと伸びる。 袖を捲られたワイシャツから伸びた腕の筋肉の動き。その先にある長い指に大きな手。 タバコを吸ってほしい訳じゃないが、タバコが似合うと思った。 今主流の電子タバコじゃなくて、昔からあるタバコがいい。 ………似合う。 侑司がタバコを吸っているところを想像したら顔がニヤけてぽうっとなった。 「遥さん?酔いが回ってきましたか?顔が」 赤いという言葉は侑司!と呼ぶ声に掻き消された。 「あ、やっぱり侑司だ、久しぶり」 「尚人……」 侑司の顔色が明らかに沈んだものに変わった。 「こんばんは、侑司のお知り合いですか」 俺の声かけに尚人と呼ばれた男が俺を見てニコリと笑った。 「元カレです」 「尚人!」 うわぁ…………聞くんじゃなかった。

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