133 / 211

俺はお前がいいんです。

「水元さんはゲイですか?」 ふいに尚人に聞かれ言葉に詰まった。 「いや、どうだろ……」 侑司と付き合っているということはゲイなのか。 他の男は試したことがないからわからない。 「良かったら試しに俺どうです?」 「尚人、やめろ」 尚人と俺の間に座っている侑司がピリピリしている。 「ごめん、俺恋人がいるから」 「別にいいですよ」 尚人は何も気にしてないように笑う。 「今の恋人といつまで持つかなんてわかんないでしょう?それに今の恋人以上に合うヤツがいるかもしれない。色々試してみないと」 「お前、相変わらずだな」 侑司が蔑むように言い捨てた。 「侑司も相変わらずか?今特定のヤツいないなら久々にしとく?」 尚人が侑司の首に腕を回す。 それを侑司が払う前に俺が払っていた。 「ごめん、触んないで。侑司は俺のだから」 「え!?俺のって」 「そのままの意味だよ」 ぽかんと口を開けた尚人にニコリと笑ってみせた。

ともだちにシェアしよう!