151 / 211

※俺に我儘を言ってください。

知らないうちに眠っていた。 目を覚ますとベッド脇のライトがつけられていて、侑司に腕枕をされ髪を撫でられていた。 「おはよ…」 「もう8時過ぎてます」 侑司がくすっと笑って答えた。 「身体、大丈夫ですか」 「ん…」 額にちゅーをされ頷く。 本当はあちこちが痛いし怠い。 でも幸せな痛みで怠さだ。 求められる。 それに答える。 それがこんなに嬉しいってどう言えばその意味で伝わるだろう。 「無理させてすいません…」 しゅんとする侑司に軽いちゅーをする。 「毎日これだとキツイけど、嬉しいからいーよ」 首に腕を回し引き寄せた。 「たまにはびっくりするくらい我儘言ってみろよ」 「じゃあ………もう一回抱いてもいいですか」 「えっ、まだ!?」 驚き、顔を見ると侑司がニヤリと笑っている。 顔を見合わせて噴き出した。 ちゅ、と軽いちゅーが唇に落とされた。 「おかわり、してもいーよ…」 「そんなこと言うと本当におかわりしますよ」 「あんまり激しくないのなら…いーよ」 「遥さん……」 ぎゅっと強く抱き締められ、体温と匂いにホッと息をつく。 好きだよ。 そう囁くと、我儘でも?と聞かれた。 我儘でも好きだよ。 どんな侑司も好きだよ。 そう答えた俺に侑司はとびきりの可愛い笑顔を見せ、俺もどんな遥さんも好きです、と言った。

ともだちにシェアしよう!