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※俺に我儘を言ってください。
知らないうちに眠っていた。
目を覚ますとベッド脇のライトがつけられていて、侑司に腕枕をされ髪を撫でられていた。
「おはよ…」
「もう8時過ぎてます」
侑司がくすっと笑って答えた。
「身体、大丈夫ですか」
「ん…」
額にちゅーをされ頷く。
本当はあちこちが痛いし怠い。
でも幸せな痛みで怠さだ。
求められる。
それに答える。
それがこんなに嬉しいってどう言えばその意味で伝わるだろう。
「無理させてすいません…」
しゅんとする侑司に軽いちゅーをする。
「毎日これだとキツイけど、嬉しいからいーよ」
首に腕を回し引き寄せた。
「たまにはびっくりするくらい我儘言ってみろよ」
「じゃあ………もう一回抱いてもいいですか」
「えっ、まだ!?」
驚き、顔を見ると侑司がニヤリと笑っている。
顔を見合わせて噴き出した。
ちゅ、と軽いちゅーが唇に落とされた。
「おかわり、してもいーよ…」
「そんなこと言うと本当におかわりしますよ」
「あんまり激しくないのなら…いーよ」
「遥さん……」
ぎゅっと強く抱き締められ、体温と匂いにホッと息をつく。
好きだよ。
そう囁くと、我儘でも?と聞かれた。
我儘でも好きだよ。
どんな侑司も好きだよ。
そう答えた俺に侑司はとびきりの可愛い笑顔を見せ、俺もどんな遥さんも好きです、と言った。
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