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俺の愛する人。
数日後、遥さんは那奈への誕生日プレゼントと、両親への贈り物を買って帰ってきた。
知られているのにご挨拶に行けなくてすみません、と詫び状まで添えられた両親への贈り物は父には有名な地酒、母にはブリザーブドフラワーだった。
那奈には華さんのお薦めらしい部屋用のフレグランス。
たまにはのんびり親孝行してこい、と笑顔で送り出され、一緒に暮らしてからは初めて離れ離れの週末になった。
遥さんからの贈り物を受け取った家族はみんな嬉しそうに笑い、那奈から遥さんの写真を見せられ、益々会ってみたい、と盛り上がる家族を他所に俺は遥さんのことばかり考えていた。
遥さん、俺は親不孝な息子になりました。
こうして何の気兼ねなくくつろげる実家で家族と一緒にいるのに、
俺は遥さんのことばかりです。
数時間前まで一緒にいたのに、もう会いたい。
声が聞きたい。
抱き締めたい。
遥さんの匂いと体温を感じたい。
今ここに遥さんがいないことが寂しくてたまりません。
言ってしまったら怒るし悲しむと思って言えませんでしたけど、
俺は…………遥さんが俺といることを望んでくれるなら、
それで、それだけでいいんです。
もちろん両親をないがしろにしようとか思っている訳ではないです。
優先順位を決めたいとも思ってない。
でも。
あなたのいない時間も人生も、もう考えられないんです。
遥さん、愛してます。
照れくさくてふざけるように口にしたあの時よりも、もっと確かな思いで言えます。
今、あなたに会いたいです。
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