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俺の恋しい人。
「これまでも遊びでそういうことをしたことはないですし、好きって気持ちはありましたけど、遥さんはなんていうか、別です」
よしよしするように髪を撫でる手が気持ち良い。
「我慢や抑えが効かないなんてこともなかったし、何度もしたいと思ったのも遥さんとが初めてです」
照れたような侑司の声にどくりと心臓が音を立てた。
「何度抱いてもいつも初めて抱く時みたいに興奮するし余裕なんかないです」
どくん、どくん、と心臓が喚く。
「だから俺毎回聞くでしょう?」
ちゃんと気持ちいいですか?
行為中のような甘い声が耳朶を掠めて揺らした。
「……今の、わざとだろ」
「わかりました?いっつも遥さんに無自覚に煽られてますから」
たまには仕返しです。
そう言って侑司はふふっと笑った。
首に腕を回し引き寄せる。
悔しいけど、煽られてやるよ。
そう言うと侑司の首の脈がどくっと強くなった気がした。
「マッサージは?いいんですか?」
「終わったらまたして…」
強請るように見上げると侑司の喉仏ががくんと上下した。
「お前に…抱かれるの、好き」
「遥さん……」
もう他の誰かを抱くなよ。
首筋に熱い息を感じながらそう言うと、強く吸い付かれた後ぺろりと舐められる。
もう遥さん以外抱けません。
そう言った唇が俺の唇を食べるように塞いだ。
いつまでも、ずっとお前だけの俺でいるから、
お前も俺だけのお前でいて。
絡む舌にそっと呟いた。
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