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※俺の溢れる思い。

無事に仕事を終え、部屋に帰る。 一緒に夕飯を作り、一緒に食べる。 あの喧嘩から抑え込んでいた感情や欲情が決壊したダムの水が溢れるように遥さんに向かった。 遥さんの身体に負担をかけないようにベッドでしか抱かないようにしていたのを破り、キッチンでも風呂場でもソファでも煽られるまま手を伸ばした。 瞬きをすればそれだけで溢れ落ちそうなほど濡れた目に俺を映し、甘えた声で俺を呼び、うわ言のように繰り返し口にされる好きの言葉にさらに煽られ貪るように遥さんを抱いた。 毎晩のように手を伸ばす俺を咎めることも嫌がる素振りも見せず遥さんは両手を広げて俺を受け止めてくれる。 抱けば抱くほど打てば響くように敏感に反応を返す身体、掠れた甘い声、縋る腕。 重なり境界線がわからなくなるほど濡れて蕩ける秘部。締め付けて強請るように蠢く内壁。 覚えたての高校生なんか比じゃない。 その時以上に夢中だった。 風呂場から遥さんが俺を呼んだ。 風呂場に行くと、遥さんが腰に腕を回し抱き着いてきた。 「風呂入ろ」 顎にちゅ、とキスをした後猫が甘えるように頭を顎にすりすりと摺り寄せた。 「今日からしばらく別々に入りませんか」 俺の言葉に遥さんが顔を上げる。 きょとんと大きい目が丸く見開かれている。 「洗ってくんないの」 喉がぐぇっと変な音を立てた。 「毎日のようにお前に洗われてたからもう自分で洗えない」 絶対そんなことはない。 ないのに、わかってるのに、甘やかしてあげたくてたまらない。 少し赤くなった耳を唇で挟んで舐めたい。 耳の穴の入り口を舌でちろりと舐めるだけで震える敏感な身体をいつものように抱き締めたい。 だけど、賭けなんか関係なく、遥さんの身体の負担が大きいのは俺にもわかる。 一度ゆるゆるに緩んでしまった理性をリセットするにはいい機会なんだ。 「いい子だから一人で入ってください」 出たらアイス食べていいですよ。 そう言うと遥さんはやった!と笑顔を見せて服を脱ぎ浴室に消えた。

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