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俺は毎日言いたいんです。
ある日の休日。
家事を片付け、特にやる事もなくなった。
携帯を見てニコニコしている侑司はまた響子さんからもらった写真を見てるんだろう。
いつ飽きるんだ。
「なぁ、連想ゲームしない?勝ったら」
侑司の意識を写真から逸らせることなら何でも良かった。
「勝ったら?何してくれます?」
して?
「チョコレートとかアイスとかじゃなくて?」
「俺にとってのご褒美は遥さんだけです!」
「あぁ、そう…」
本当にこいつは徹底してるな。
「じゃあ……ちゅー、とか?」
「はい!」
ちゅーなんか毎日してるのにご褒美になるのか?
疑問だが、ご褒美レベルが上がっても困るので黙っておいた。
制限時間5秒。連想できなかったら侑司の負け。
圧倒的に不利だが、侑司はやる気に満ちている。
「連想するものは何でもいいんですか?」
「いーよ、ゲームだし、5秒だし」
携帯のストップウォッチ機能をわざわざ用意する。
そこまでしなくていいのに、侑司はあくまでも本気で、勝つ気でいるようだ。
たかだかちゅーくらいで可愛いやつだ。
「じゃーいくぞー。んーと、き」
「キス」
「じゃ、は」
「ハグ」
「め」
「目隠しプレイ」
「…な」
「な○だし」
「……た」
「立ちバック」
思わず噴き出した。
「あのさ………何で下ネタくくりなの」
「何でもいいって言いましたよね」
「……うん」
「じゃ、続けましょう」
目がキラキラしてる。
たかがちゅーで。
これ、本当にちゅーですむのか…
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