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俺はこれまでで最高をあげたいんです。
兄ちゃんに借りた車のトランクにプレゼントを忍ばせた。
那奈ちゃんに何回も何回も口止めした。
準備は万全。
それでも緊張は日に日に募り、いつものように上手く笑えてるか自信がなかった。
侑司の誕生日を翌日に控えた土曜日。
車で出掛けようと侑司を誘った。
見慣れた風景に差し掛かったのか、侑司が慌てるのがわかる。
「遥さん?」
「本当はスーツで来たかったんだけど、すぐバレるから」
車を停めたのは侑司の実家前。
トランクを開けプレゼントを取り出す。
緊張して微かに震える指先をそのままに呼び鈴を押した。
家の中からバタバタと騒がしい足音が聞こえてガチャと開いた玄関から那奈ちゃんが顔を出した。
「本当に来た!お父!お母!!」
一旦玄関がゆっくりと閉まる。
侑司が俺の手首を掴む。
「遥さん…」
「黙っててごめん。やっと覚悟決まった」
決まったが、今侑司と笑い合う余裕はなかった。
出迎えてくれたご両親と那奈ちゃんにリビングに案内される。
手土産を渡し、どうぞと促され侑司と共にソファに腰を下ろした。
「初めまして。水元遥と申します」
声が震えた。
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