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愛されすぎて泣けてきます。
「会いに…行くん?」
心配そうな顔と声に変に照れる。
「行くよ」
答えた俺を華さんが抱き締めた。
びっくりしすぎてかっ開いた目がエアコンで乾く。
「ちょ、何してるんですかっ」
慌てて侑司が間に割って入り離された華さんを見ると。
顔をくしゃくしゃに歪めて号泣していた。
「えぇ!?」
驚きすぎた侑司の後頭部を一発叩いてから箱ティッシュを華さんに渡す。
そんなに取らなくても、というくらいティッシュを引き抜き鼻に当てながら華さんがしゃくりあげた。
「遥、くん、偉い、よ。遥、くん、凄い、よ。やっ、ぱり、うちの、おとう、とだけ、あるっ」
泣きながらしゃくりあげながらやっとのこと話す華さん。
あなたの弟になってまだ一年も経ってないですけどね。
兄ちゃんと付き合いだしてから俺はもうずっとこの人の弟でもあるんだろう。
この人なりの励ましや優しさに気付くまで時間はかかったけど、兄ちゃんに生涯付き添うのは今となってはこの人以外考えられない。
里香とのことがあった時、やっぱりこの人は今日と同じように顔をくしゃくしゃにしながら泣けず抜け殻になった俺の代わりのように泣いて怒って悔しがってくれた。
両親から決別された時もそうだった。
泣き疲れ小さな子供のように泣きながら寝落ちした華さんを抱っこして寝室に連れて行く兄ちゃんの表情と背中を今でも覚えている。
きっとこの二人は添い遂げるんだろうな、と嬉しく思ったことを。
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