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詩「鈴木さん、話してくれてありがとう」 鈴木「ずっと誰かに聞いてほしかったんです。でも、信じて貰えないって。だから言えなくて」  鈴木の目から涙がこぼれおちる。 詩(虎治のことで、ずっと辛い思いをしてきたんだな)  鈴木を慰めるように背中をさする。 詩「鈴木さん、気が付いてあげられなくてごめん。それに怖い目にあわせてごめん」 鈴木「詩、せんぱい」  鈴木が胸に縋りつく。  震える細い身体。そのまま抱きしめようと腕を後ろに回しかけるが、虎治に腕を掴まれ邪魔される。 虎治「詩にぃ、帰ろう」  目が合うと虎治が怖い顔をしていた。

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