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詩は胸元に手を当てて目を閉じる。
真っ直ぐな言葉は胸に届いて、じわりと熱がこみ上げる。
詩「俺はずっと勘違いしていたよ。だって俺だよ? 惚れる要素が解らねぇ」
虎治「なんで? 詩にぃの良さ、気が付いている人はいっぱいいるよ。鈴木さんだって」
虎治は鈴木が恋をする目で詩を見ていたことに気が付いていた。
それが気に入らなくて、思いだすだけで、嫉妬をして表情が怖くなる。
詩「お前、顔が怖い」
こんな顔を見せられては鈴木が怖がる理由がわかる。
詩(でもさ、女子相手に睨みつけて怖がらせるのはダメだ)
額にデコピンを食らわせた。
虎治「痛い」
額を押さえて、何をするんだよというような表情で虎治が詩を見る。
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