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十空間目⑯

「んん、んっ、はぁっ、ふぅ、っ、ッ、んん」 自分の乳首をレロレロと舐められる様を見下ろすのは……なんかすごく変な感じだ。ウズウズするほど気持ちが良い上に、視界からも酷く煽られてしまう。全世界の人類が認めるほど格好良くて、それでいて好きで堪らない人から、こんなにもエッチなことをされているという背徳感でどうにかなってしまいそうだ。 「……は、あっ、あぅ、ぁ、ぁあぁっ、んんぅ」 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、神田さんはゆさゆさとゆっくりと腰を動かしながら器用に俺の胸の贅肉を両手を使って引き寄せると、胸の弾力を確かめるように揉みながらまた乳首を舌で丹念に弄ってきた。俺は自分の身体だということにも関わらず、そんなエロい光景に釘付けになるように見入ってしまう。 ぷっくりと大きくなった乳首を神田さんの赤い舌がチロチロと舐める光景も、指先でコリコリと弄る光景も、……全てエロい。 「ん、んん、んっ、あ……ぁ、あっぅ」 神田さんの行動全てに見蕩れていると、気が付けば俺はだらしなく口を開いて喘ぎっぱなしになっていたようだ。興奮し過ぎて大量に分泌していた飲みきれなくなった唾液がポトリと自分の胸元に落ちる。 それを……あっ、と思った時にはすでに遅くて。俺の乳首を口内に入れて吸っていた神田さんは、それに気が付いてニヤリと笑った。 「あっ、神田、っ、さん……んんっ、ん、んん」 「…………えっろいな」 「ふぁ、あっ、あぁっ、ッ、ひぁっ」 「自分から唾液垂らして、こういう風に弄って欲しかったのか?」 「ち、違っ、あん、んぅ、んんっ!」 “こういう風”と言いながら、神田さんは俺が零した唾液を潤滑剤として使うように乳首に塗り込んで弄ってくる。決してそういうことをして欲しくて零したわけじゃないのに、想像以上の気持ち良さとエロさに、思わず喉を反らして喘いでしまった。 「ん、んっ、あっ、あん、んんぅ」 「気持ち良いか?」 「んん、っ、ふぁあ、きもち、っん、んんぅ」 「…………ん?」 確かに視界からもすごく煽られたし、乳首もすごく気持ちが良い。……だけど、今はもっと強い刺激が欲しくて堪らない。もしこれを分かっていてわざと焦らしているのなら、本当に彼はいい性格をしていると思う。 「あっ、……ん、気持ち良い、けど、っん、もっと、気持ち良く、あっ、んん、なりたいっ」 「…………」 「んん、んっ、もっと、ふぁあ、もっと……あっん、パンパン、ってして……っ」 俺はもどかしい気持ちが強くて、自分から腰を緩く動かした。

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