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JUGGLING
「桜井……? なんだお前、浸かってなかったのか」
「大悟さんをきれいにすることが先です。こっち、きて」
シャワーの高さは肩にかかるくらい。温度は少し温めに調節した。お先にどうぞとシャワーのふりそそぐ位置を譲り僕は背後に回る。
戸惑いながらも従う大きな体に手を伸ばす。
「ちょ、桜井……?」
「どこ触られたんです? ここ? それともこっち?」
「やめろ、声響く……んっ」
「電車では我慢出来たんだから今も出来ますよね? ほら、しっかり立って」
抵抗する体を前に向けさせる。
今抵抗するならなんで電車でしなかったんだ。抑えていた怒りがふつふつと沸いてくる。
「消毒、してあげます。ねぇ、どうやって触られたんですか? お尻?」
「消毒っておま……あ、やっ、なあ、どうして」
「もしかして電車でもそんないやらしい声出してたんですか? ちゃんと教えてくれないと消毒出来ません、何されたんですか?」
ここは電車の中でもスーツを着てもない。それでも、小さな苛立ちは消毒を理由に大悟さんの体を好き勝手に嬲る。
硬い尻を撫で、首筋に吸い付いて立ち上がった乳首を抓る。がくがくと揺れる腰が、自分が触れているからだとわかっていても、もしかすると電車でも……なんて不安が拭い切れない。
「電車が混んでて……、最初は鞄だと思った、んだ……、はぁっ、だけど鞄の固さはなくて、もっと柔らかくて動くから手だった……」
「……で? それで気持ちよくなっちゃって抵抗もしないで、こうやって大人しく触らせてたの?」
「ちがっ……ああっ、今は桜井だからだろっ、んっ。痴漢だって気づいて、いや最初は人違いだろうって、だってぇ……んっ、俺の尻が目当てとは思わないだろっ……っ!」
ボディソープを手に取って、いつも通り洗うようにして体中を撫でまわす。にちゃにちゃと音を立てて後ろの窄まりに指を引っ掛け少しずつ中へと侵入させる。
「ああっ……ん、やだ、桜井。そんなとこ、触られてなっ、いぃ……っ」
「本当ですか? こんなに喜んでガッチガチに立てて、本当はその声で大悟さんから誘惑したんじゃないですか?」
「ちがっ……やだ、違う、それはない。んっ、あ、あぁっ……俺が触ってほしいと思うのはお前だけ、だっ!」
思わぬ反撃にいじめる手が一瞬止まる。かわいいことを言ってくれる。だけどまだ怒りは収まっていないし、興奮は更に煽られた。
「でもこんなえっちな顔してたら、何されても文句言えないですよ? まさか服の中に手入れられてませんよね?」
「あ、あっされてない、そんなと、こ……触られてなっ、んっあぁや、はぁっ」
「こんなえっちな顔見せられて痴漢が我慢できるとは思えないけど」
「んあっ、俺だって嫌だったけど、んあ、……逃げても手が追いかけてくるからぁ、ああぁんっ」
「はあ? 僕が声かけるまでどうしてたの? 喜んで触らせてたとか言わないよね?」
ぐちゅぐちゅとわざと音を立てて指を増やす。耐えられなくなった大悟さんが鏡に手をついて、曇っていたところが少しクリアになる。
すっかり快楽に染まった大悟さんと鏡越しに目が合った。
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