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第38話 ヘンテコなコト
公太が本物のイケメン高校生で本物のキラキラピカピカ皆が大好きな日向男子だったら、きっと俺は好きになってないと思う。
「ぁ、ンっ……こ、た」
逆上がりができない、ちょっとカッコ悪いとこがよかった。
逆上がりができないことを臆することも恥じることもなく、克服しようとするとこがカッコ良かった。
いつも、誰にでも優しい公太が俺にだけ見せるくしゃくしゃな笑顔が嬉しかった。
学校にいる涼しい顔したモテ男子が、好きな子の前で、エッチしたいって前のめりでキスすんのを、可愛いと思った。
「んっ……公太」
可愛くてカッコよくてかっこ悪くて、カッコいい公太のこと。
「俺が、したげる」
「え? ぁ、ゆ、柚貴?」
独り占めしたいと思った。
「あの、公太ってさ、フェラって、されたこと、ある?」
「は、はぁぁぁぁ? あ、あるわけないじゃん!」
そんな力んで否定しなくても。なんかむしろ慌ててる感じが怪しいよ。まるで本当はそれに関しては経験者なんじゃないかって。
「ホント?」
「あのね、俺、高校デビューなんだってば」
そこをそんなドヤ顔で宣言するの?
「そんで、高校デビュー後はずっと一人の人に片想いしてたから。そういうのを誰かとする隙間なんてなかったよ」
いつも一緒にいる佐藤が女子も参加の遊びに時は公太は来ないって言ってた。
「俺も、したことないし、されたことない、から下手かもだけど」
「ちょ、柚貴?」
「フェラ、させて?」
これからも佐藤と一緒に遊ぶ時は女子なしにしといてよ。
「ン、ふっ……」
「っ!」
「こ……んんっ」
「っ……っ、あんま」
あんま気持ち良くない? ここ、ここのとこ、あんまり? 裏筋のとこ唇で扱くのと、舌でなぞって舐めるのどっちがいい?
「ちょっ、それ、ヤバっ」
吸って口を窄められると狭くて気持ちイイ? それとも緩く柔く唇で咥えるほうが好き?
「柚貴っ」
「ン……んふぁっ……ぁっ……ン」
舐められるのと。
「ン、んん、ンく」
吸われるの、はどっちが好き。
「ゆ、ずきっ!」
いきなり肩を掴まれて、そのまま力任せに、でもちっとも痛くないのは押し倒されて落下先が枕のとこだったから。
あんま、だった? 俺のフェラ。初めてだから、そう気持ちよくはなれなかったかもしれないけど。
「っ、は、ぁっ」
「公太?」
「はい」
「我慢きかなくなるから。ちょっと、タンマ」
よかった。
「……やだ」
「は?」
「我慢、きかなくていいよ」
ちゃんと気持ちよかったみたいで。
「我慢しないでよ」
「……」
熱くて硬くて、すごく大きいのに可愛いって思ったんだ。俺の口の中で気持ち良さそうにビクビクってするのがとても可愛いって。舐めながら、しゃぶりながら、今からこの大きいのが俺の中に入るんだって思ったら。
「俺、公太のこと好きだよ」
たまらなくなったんだ。
「欲しい、よ……」
だから、我慢なんてしないでよ。
なんかさ、変な感じがしてたんだ。恋って、なんかカッコ悪くて、怖かった。
「あっ、あっ……ぁっ、ンっ、こ、たっ、そこ、やだっ」
「ここ?」
「んー、ぁっ! イっちゃいそっ」
恥ずかしいことばっかりが詰まってる気がして、慌てて蓋をした。
「ひゃぁぁあっ」
「っ、柚貴」
裸になって、全部見せて、全部見せられて、脚なんてすごい広げてさ、ヘンテコな格好で抱き合って、顔真っ赤で、今にも泣きそうで。
「ぁ、あっ」
喘ぎ声もヘンテコで。
「ぁっンっ、ら、めっ……なんか、そこっ」
「柚貴」
「んんんっ」
ご飯食べる口の中を荒らすキスもヘンテコ。
「……ン、こ……た、ぁ」
唇をびしょ濡れにして、ベロがヘロヘロになるくらいにキスをしたら、言葉もヘンテコ。
「柚貴」
「あっ、はぁぁっ」
奥を、クンって突かれて、背中が仰け反って、また変な吐息が勝手に口から零れて。エッチなことって、ヘンテコなことの連続だ。恥ずかしくてたまらないのに。なんで――。
「あ……こ、た……もっと」
なんでこんなに気持ち良くてたまらないんだろう。
なんでこんなに嬉しい気持ちでいっぱいになるんだろう。
「あぁぁっン」
「柚貴」
照れくさいよ。けど。
「あっ、ン、公太、気持ちイイ?」
ほら、公太が笑うんだ。
「めちゃくちゃ気持ちイイよ」
「あっンっ」
カッコいい顔をもったいないくらいにくっしゃくしゃにして、汗いっぱいかきながら、はぁはぁって息を切らしてる公太がさ。
「ン、よかった。お、れもっ」
大好きでたまらない。
「俺も、こ、た、の気持ちイイ、あっン! ちょ、あっ、そんな急に」
「柚貴」
「あ、あっ、んっ」
お尻の奥のとこ、どうしよ。
「あっ、ぁっ……んんんっ」
すごく気持ちい。変になっちゃいそ。
「はぁっンっ」
だけど、いいや。
「あっ、ぁっ、あっぁ」
俺に覆い被さる公太も変な顔してたから。真っ赤っか、汗びしょびしょ、そんで怒ってるみたいにどっか痛いみたいにしかめっ面。
「柚貴」
それなのに声はとてつもなく優しい、そんなヘンテコな公太のことが。
「ン、好き、公太。一緒にイこ」
ものすごくカッコよくて、ドキドキしたから。
「ン、んんんっ、ぁっ、イっくっ、も、イっ」
きっと同じようにヘンテコだろう俺にドキドキしてくれてるかもしれない。
「ぁ、あ、あああ、ぁっ…………っ!」
両想いだから、俺が夢中なのと同じくらい、公太もきっと夢中になってくれてるだろうから。たくさん脚を広げて、甘ったるい声を上げながら、息継ぎ必須の深くて濃いキスをしながら、ぎゅうぎゅうとしがみ付くように抱き合った。
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