12 / 34

10

○リビング/ちゃぶ台前(夜) ビールを傾ける匡。 匡(あれ、こいつのことか……) 茹で霞をごちそうのように食べ続ける晴嵐。 匡(なんか……) 晴嵐「あいた!」 食べながら舌を噛んだらしい晴嵐。 匡(大丈夫か? こいつ……) 匡「なあ、よくこうやって料理してるのか?」 晴嵐「は、はいぃ……人の目を盗みこっそりとぉ……」 まだ舌が痛いのか涙目の晴嵐。 匡「料理するなら、うちのキッチン使えばいい」 晴嵐「えっ?」 ずささと畳を擦りながら、匡の真横に行く晴嵐。 晴嵐「よ、よろしいので!?」 匡「いいよ、別に」 ころころと表情を変える晴嵐。 匡はくすっと笑う。初めて表情を緩めた。 匡(二人の夕飯も、悪くないな)

ともだちにシェアしよう!