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○リビング/ちゃぶ台前(夜)
ビールを傾ける匡。
匡(あれ、こいつのことか……)
茹で霞をごちそうのように食べ続ける晴嵐。
匡(なんか……)
晴嵐「あいた!」
食べながら舌を噛んだらしい晴嵐。
匡(大丈夫か? こいつ……)
匡「なあ、よくこうやって料理してるのか?」
晴嵐「は、はいぃ……人の目を盗みこっそりとぉ……」
まだ舌が痛いのか涙目の晴嵐。
匡「料理するなら、うちのキッチン使えばいい」
晴嵐「えっ?」
ずささと畳を擦りながら、匡の真横に行く晴嵐。
晴嵐「よ、よろしいので!?」
匡「いいよ、別に」
ころころと表情を変える晴嵐。
匡はくすっと笑う。初めて表情を緩めた。
匡(二人の夕飯も、悪くないな)
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