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□部室(少し夕方)  唇を離し、お互い見つめ合う二人。 春来「……はぁ。そろそろ出ないとみんながここに入って来れなくなるな……」  その言葉に智哉はハッとして、智哉の腰を抱いていた春来の腕が離れて行くのを感じ、ギュッとその身体にしがみ付いた。 智哉「駄目ッ! 彼女の所には行かないで!」 春来「彼女……? え? 相葉先輩の事!?」 智哉「うん……。圭人先輩が言ってた……。春兄は卒業したマネージャーと付き合ってて、今も仲良くラブラブって……」 春来「ハァ!? それ、信じたのか!? そんなわけねーだろ! 俺は一度たりとも付き合った事はない! お前以外と手を繋ぐ事さえごめんだ!」 智哉「で、でも……」 春来「先輩には何度も告白されてるし、アプローチはされてる。でも、俺には好きな奴がいるからって何回も断ってる」 智哉「え? そうなの?」 春来「で、昨日の夜も同じような内容のメールが来て、お前の事抱いた後だったから嬉しさのあまり……勢いで俺は可愛い弟しか愛せないって送ってやったんだよ」 智哉「!」 春来「そしたら、見に来たんだろうなお前の事……」  偵察と言うか宣戦布告。自分よりも可愛い弟がどんな人間かを見に来た。それが、あの深みある笑みの意味だったのだろう……と、智哉は推測した。

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