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「はい、今回は1時間は浸からないとダメですね…」
「…風邪引くなよ?」
こんなひょろいヤツが冷水に浸かるようなことをして…大丈夫か心配になる。
「はは、僕は慣れてますから、大丈夫です」
そう笑ってかわしながら、袴の上を脱ぎはじめる。
「……」
色白の肌に、長めの黒髪…
ほっそりとした姿は、後ろから見ていると少女と見間違うほど綺麗に見える。
しかし気になったのはそれだけではなかった。
「お前、肩…」
東洞の右肩には3箇所ほど浅黒く焦げたような痕が…
「え?あ、これですか?刺青じゃないですよ、邪鬼が嫌う石を焼きつけているんです…邪気は右から入って左へ抜けて行くので…右肩に…」
「あ、ほらこっちのほうが凄いですよ」
そう言いながら東洞が振り向くと、ちょうど心臓の上辺りにも、何かの文字が黒く焼きつけてある…
色白の肌にはかなり映える焼版だ…
「ッ…これは、」
「こっちは身体につけた結界なんです」
「結界?」
東洞の話しは、慣れない専門用語が多くて度々首を傾げてしまう。
「霊媒体質の強い人は赤ちゃんの頃から色んなものを憑依させてしまうので、身体に結界をつけて悪いものを弾くようにしているんです」
その胸の結界に触れて…説明する東洞。
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