33 / 300

33

「息っ?…僕そんなに子どもっぽいですか?一応22才なんですけど!」 むう、と頬を膨らませる東洞… 「いや、どうだろうな…」 ははっと笑って誤魔化す。 和やかな雰囲気で食事が進む… 「僕は…国近さんがまたうちに来てくれて、本当に嬉しかったんですよ」 「ん?」 「一度、僕の家に入ったら、たいていの人は、僕の家には寄り付かなくなりますから…」 少し悲しげに伝えてくる。 「東洞…」 「お祓いを見ても、この家を見ても…気味悪がらずに、今まで通り僕に接してくれて本当に嬉しかったんです」 そう微笑む東洞。 「……まあ、お前は変わってるけど、いい奴だから、信じれると思ったんだ」 思ったことをそのまま伝える。 「…ありがとうございます」 「担当だし、お前が仕事に集中できるようになるまでは、俺がなんとかサポートしてやらないといけないからな…」 「はい、がんばります」 「お前が仕事に集中出来ない理由は…」 続けて聞こうと話しかけていると… 「っ!」 東洞はハッとして、入り口の方を見て突然立ち上がる。 「どうした?」 「え、どうして…明日の筈なのに…」 困惑した顔で呟いている。 「なんだよ…」 明らかに動揺している東洞。 こんな姿は初めてだ… 「…っ、あの…」 キュッと表情を引き締め、俺に話しかけようとする東洞だが… それを何者かの声が遮る。 「尊~帰って来たぞ!」 東洞を呼びながら、不意に部屋に入ってくる人物。 すらっと背が高く、まだ若い短髪の男。 まっすぐ東洞を見て近づき、そのまま東洞を抱きしめた…。 「会いたかった、しばらくぶりだな、尊はやっぱ可愛い」 「や…ちょ、やめてください…優志さん」 それを遮るように手で押し退けながら慌てて拒否する東洞… 「ん…なんで?」 「……」 ちらっとこちらに視線を向ける東洞。 その男はそれを追って視線を向ける。 「うわッ!誰だお前ッ!!」 男は、ビクッと驚いて、東洞を庇うように立ち、ポケットから紙切れを取り出して威嚇するように睨みつけてくる。

ともだちにシェアしよう!