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第42話
そして、食事を終えて、本題に入る。
「昨日の奴は誰なんだ?」
「…はい、名前は天河守優志さんで…僕の身体にある結界や家の周りに結界を張って悪いものが入らないようにしてくれる…結界師の一族で…天河守家はずっと昔から霊媒師の東洞家専属の結界師だったんです」
俺の問いに、ゆっくり説明をはじめる。
「……」
霊媒師の他にも専門の特殊能力者がいるのか…
「その中でも、優志さんは僕が生まれた時から、僕専属の結界師としてずっと見守ってくれている人で…」
やや表情を落として話す東洞。
「なるほど、それで俺に気付いた時、とっさにお前を守ろうとしたんだな…」
東洞を守ることが身に染み付いているんだろう…
「優志さんは…特殊な能力を持たない人間を毛嫌いしています、だから昨日のように国近さんに口調を荒げて追い払おうとしてしまったんです、留守中に勝手に招いたのも気に障ったようで…」
「…そうか、」
特殊能力者の家系…
あいつはあいつなりに苦労して来たんだろう…
「すみませんでした」
また頭を下げる東洞。
「いや、霊媒師に…結界師…、特殊な能力を持たない人間…か、お前の一族以外、他にも特殊な力を操れる人間がいるのか?」
怒鳴られ追い返されたことに関しては、理由が解れば特に気にしない…
それより東洞の話す内容の方に興味を惹かれた…
「はい…」
「有名な陰陽師なんかはお前らとは違うのか?」
よくTVや映画で扱われている霊能者は陰陽師が有名だ。
「陰陽師は、主に呪術、符術式神を駆使して祈祷や退魔を行う霊能力者です、だいたいはオールマイティになんでも出来ます、系統で言えば結界師が近いです」
「結界師…」
「結界師も符術を使って結界を張りますから、陰陽師の結界術特化なのが結界師ですね」
東洞は呟きを拾って説明を足す。
「じゃ、あいつも見えたり霊を追い払ったりできるのか?」
「いえ、結界師は悪いものを弾いたり、閉じ込めておくことは出来ますが…浄霊や滅することは出来ません」
「できないのか…」
霊能力者はみんなお祓いが出来るのかと思っていたが、いろいろあるんだな…
「霊や妖怪についても、優志さんは感じることは出来ますがはっきりと見ることは出来ないみたいです…やっぱり天河守家も、血が薄まってきて本来の能力が受け継がれにくくなっているのも確かですから…」
「そうなのか…本来?」
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