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第45話

「お前はどうしたいんだ?」 「…僕は、国近さんに来て欲しいし、また国近さんの料理…食べたい…です」 「……まあ、じゃ…天河守の許しがでたらいつでも行ってやるよ」 「…はい」 それを聞いてまた、微妙に視線を落とす東洞。 許してくれるわけないから… 「俺のせいで、アイツとお前が険悪になったら困るだろ、結界張ってもらわなかったらお前は取り憑かれ放題になるんだろうから…」 東洞の体質のことを思えば、俺が無理矢理入って行ってこじらせてしまう方がまずいから… 「そうですね…でも、」 霊媒師と結界師は離れることなんか出来ない。 ううん、違う… 結界師を求めているのは霊媒師の方… 僕は…結界を張って貰わなければ…普通に出歩くことも出来なくなるから… 優志さんには逆らえない。 「どうした?」 「いえ…」 緩く首を振り…言葉を飲み込む。 「よく分からんが無理はするなよ、お前にとって何が大切か良く考えるんだぞ」 ぽんっと頭を撫でて、言い聞かせる。 「はい…ありがとです、国近さん」 頷いて…微妙に微笑む東洞だった。 東洞の話を聞き、昼休みを終えて、仕事に戻る。 そしていつものように午後の仕事も終わる。 今日は東洞が時間内に出来なかった昼間の仕事も残っているので少し長めに残業しなくてはいけない。 「東洞、お疲れ、お前は上がっていいぞ」 先に上がらせようと声をかける。 「いえ、僕も手伝います」 「いや、まあ…、正直俺が独りでした方が早く終わるし…」 「うっ…じゃ、見せてください、国近さんの仕事見て覚えます」 たじっとなる東洞だが、さらにお願いしてくる。

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