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第46話
「それならいいか…けど早く帰らなくていいのか?アイツが待っているんじゃないのか?」
アイツとは天河守優志…
一緒に暮らしているふうだったから…
「いいです、気にしないでください」
やや強がったような表情…
「そうか…あまりアイツに心配かけるなよ…」
「国近さんは優しいですね…昨日あんな態度とられたのに…怒らないし…」
「アイツも悪気があった訳じゃないだろ、お前のことを心配しての行動だから…」
「分かってます…けど、扱いが…過保護すぎな気もします…」
自宅に縛りつけようとするから…
「まあな、でもお前のことがかわいくて仕方ないんだろう…」
幼い頃から東洞尊のことを結界で守ってきたんだろうから…
その思いは昨日今日できる絆とは違う…
「……」
「アイツは住み込みなのか?」
「いえ、優志さんも実家はあるので普段は、食材を持って来てくれたり、結界を直したり、その都度見に来てくれます…」
「そうか…」
「今は…問題が起こったので、しばらくは監視の為にうちに泊まるみたいですが…」
「問題って俺のことか?」
「……」
無言で頷く…
「悪かったな…」
「いえ、僕の方こそ!ごめんなさい…」
「アイツにも、料理、勝手なことをして悪かったって言っておいてくれな」
いままで毎日、東洞の食事の世話もしてきたんだろうから…
それは気分を害しても仕方ない…
「……国近さんは悪くないです、僕は本当に嬉しかったから…、誰も悪くない筈なのに…」
「東洞…」
「……」
悲しげな表情で俯いて…言葉をなくす。
「そうだな…誰も悪くない」
そっとその頭を撫で…
「……ん」
「誰も悪くないんだから、いつかアイツにも分かってもらえる、そうしたら、またメシ作りにいってやるから…元気だせよ」
そう肩を叩いてやる。
「はい…」
微笑み、こくんと頷く…
それから俺は、仕事に集中し始める。
早く終わらせて東洞を帰らせてやらないといけないから…
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