56 / 300

《無断欠勤の理由》

今日、仕事の開始時間が過ぎても東洞は来なかった…。 自宅に連絡しても繋がらないし… 社長には体調不良で欠勤と伝えたが… 新入早々、欠勤の多い東洞に苦い顔をしていた。 東洞は何をしているんだ。 会社に来なかったら…庇いきれなくなる。 心配していると… 「国近、お前の新入社員の小僧はもう辞めたのか?」 不意に同僚が話しかけてくる。 「いや、ただの欠勤だ…また来るよ」 「ああいう今時のひょろい奴は根性なさそうだから続かねぇだろ、仕事の効率も悪いし、国近も可哀想だな、あんな奴の担当に選ばれて…毎日残業三昧だな」 「別に、あいつも根性はある方なんだ…ただ、少し身体が弱いだけで…まあ指導は悩むけどやりがいはあるよ」 かなりの特殊な体質の東洞だから… 「お前はすげーな、この仕事に向いてない奴は、俺なら見放してるぜ」 「そういう訳にはいかない、本人はやる気があるからな…」 「そうなのか?まあ、ほどほどに頑張れよ、また飲み行こうぜ」 「あぁ、ありがとう」 同僚との話を終え、デスクに向かう。 とりあえず、仕事が終わったらあいつの家に様子を見に行ってみるか…。

ともだちにシェアしよう!