69 / 300

第69話

翌日、まだ東洞から連絡はない。 昨日の今日で…さすがに来れないとは思うが… そう思いながら、会社に到着する。 入り口に向かうと… 「あ、…東洞!」 職場の前に立っている細身のスーツ姿… 「国近さん!…おはようございます」 こちらに気付いて笑顔で駆け寄ってくる。 「お前、身体は大丈夫なのか?」 取り憑かれていたのは昨日の夜… 本当に大丈夫か心配になる。 「はい、禊もしましたし、しっかり寝ましたから大丈夫です」 「でも、声枯れてないか?」 「…はい、流石に一日中水浴びてたら少し風邪引いたみたいですけど…大丈夫です」 そう苦笑いする東洞。 「おいおい、本当に大丈夫か?」 「はい、あの…国近さんは怪我大丈夫ですか?化膿とかしてませんか?」 少し表情を落として…逆に心配してくる。 「あぁ、俺の方は大丈夫だ、気にするな…お前は風邪なら無理するなよ、熱は?」 「大丈夫です、…昨日は本当にすみませんでした…」 続けて、深々と頭を下げる。 「……いや、それはもういいから、今日仕事に来ること、天河守には許可もらったのか?」 「はい、許してくれました」 「そうか…、なら行こうか」 「はい、」 そうして、東洞の様子を気にしながら仕事をする。 そして昼休み… 「…よし、お前はここまででいいぞ」     

ともだちにシェアしよう!