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第71話

「身体を支配されて、…あの時の記憶が殆どない状態で、国近さんにしてしまったことも、殆ど覚えていなくて…けど、国近さんのあたたかいオーラが流れ込んできたのは、はっきりと分かりました…貴方が来てくれなかったら、僕は未だ闇の中にいたかもしれません…助けてくださってありがとうございました…」 そう深く頭を下げる。 「いや、ほってはおけないからな…」 「意識がなかったとはいえ、国近さんに、酷いことをしたと思います…本当にごめんなさい」 さらに謝り続ける。 「いや、取り憑かれて身体を乗っ取られていたんだ、仕方ないだろう…でも、もう無茶はするなよ、天河守にはあまり逆らわないようにしろ…」 「…はい」 「お前の身体が壊れたら仕事どころじゃないからな」 「……、 僕には…やっぱり、普通に仕事をすることは出来ないんでしょうか…」 「東洞?」 「…国近さんにもいつも迷惑をかけてしまうし…大人しく家に引きこもっていた方が…優志さんも安心するんです」 「それはお前がどうしたいかだろ…」 「…僕は、外に出たいんです…どうせ長生き出来ない身なら…自分の好きなように生きたい…好きなことをして、いろんな場所を見てみたい…」 「東洞…」 「……でも、それをしようと思うと…みんなに迷惑をかけてしまう…」 「……まあな、けど人は少なからず誰かに迷惑をかけて生きるもんだ、お前は少し特殊だけど、お前だけが迷惑をかけているわけじゃない」 「国近さん…」     

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