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第75話
「やっぱり僕は怖いですか?…気持ち悪いですか…?」
不安そうな顔で問ってくる。
「お前な、俺がそんなことを思っている訳ないだろ」
優しく笑ながら首を振る。
「じゃ…なんで…」
「天河守に心配かけられないだろ」
専属結界師と東洞の仲をこじらせてはいけないし…無理させないと約束したから…
「優志さんは関係ないです、僕はもう大人なんですよ、自己管理もできますし、残業だってできます、国近さんが残るなら僕も残って仕事します」
「いや…お前に無理はさせられないから…」
「別に無理じゃないです、それに、国近さんのオーラはとても清浄なので家にいるのと同じくらい国近さんの傍は楽なんですよ」
「そうなのか…」
確かに普段から俺のオーラに寄ってきては穏やかな顔をしているが…
「はい、…本当に禊の水と同じくらい澄んでいて、しかも温かくてとても心地がいいんです、だから…無理にはなりません」
「うーん、お前の身体に害がないなら…本当に俺のオーラはそんな力があるのか?」
「はい、どう説明したらいいか…」
「東洞にとって良いものなら天河守が遠ざけようとするのはなぜだ?」
「優志さんは、一般人嫌いですし、国近さんのオーラが実際に見えないから…分かってもらえないんです…どれだけ綺麗なオーラか…」
「そうか…」
「あ、そうだ!倉橋先生に見てもらえば…」
不意に、はっとして呟く東洞。
「ん?」
「あの、今度の日曜日、暇ですか?」
「どうした?」
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