76 / 300

第76話

「陰陽師の倉橋先生に、見て頂けたら…優志さんも、分かってくれるかもしれないので…」 「陰陽師?」 「はい、とても有能な陰陽師の先生で、霊力も強い方で、僕と優志さんへ符術を教えてくださった方の1人です、倉橋先生なら国近さんのオーラが見えるし、倉橋先生の言うことなら優志さんも認めてくれるかも…」 「そうなのか…その陰陽師に会いに行くってことか?」 「はい、ちょうど、この間封印した妖魔を倉橋先生に預けに行かなくてはいけなかったので…良かったら一緒に行きませんか?少し遠いですが、車でも日帰り出来る場所です」 「あの妖怪か、なら俺も関係あることだから付き合うよ」 ゆたかに取り憑き、俺に取り憑いた…そして、東洞が血を吐きながら封印した妖怪だ…。 「本当ですか!ありがとうございます」 嬉しそうに笑う東洞。 「いや、お前1人にするのは心配だしな」 「え、なんでですか?」 「お前を見ていたら、天河守の気持ちもわからなくないでもないな」 無鉄砲なことをして、心配をかける…手のかかる子どもを見守る心境だ…。 「え、どういう意味ですか?」 「いや、天河守はついてこないのか?」 「言えば…ついてくると思います…」 「じゃ、ちゃんと話せよ、勝手に行ったりするから天河守が余計心配するんだからな…」 「…はい、優志さんがまた国近さんを不快にさせることを言ったらごめんなさい」 「大丈夫だ、俺は気にしないから」 「はい…あの、」 「ん?」 「いえ、日曜日は、朝9時頃にウチに来てください」 「あぁ、分かった、何か要るものあるか?」 「いえ、大丈夫です、優志さんが運転してくれると思うので、一緒に乗って行きましょう」 「分かった…よろしくな」 そんなこんなで、初の霊能力者たちとドライブに行くことになった。

ともだちにシェアしよう!