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第80話

「すみません国近さん、メガネは伊達なので大丈夫ですよ、見えない霊と対峙する時、鏡やガラスを通すとより見えやすくなるので、霊体を認識する時、優志さんは伊達メガネを使っているんです」 言葉足らずな優志の代わりに、東洞がフォローを入れる。 「あ、そうなのか…」 「余計なことを話すな、尊」 しかし不機嫌に止める優志。 「はい、でも誤解が生まれますから…説明しないと」 「あぁ、助かる東洞…」 「いえ、優志さん…見えます?」 ニコッと微笑み応え、すぐ霊媒師モードの真剣な顔になり、優志へ視線を向けて聞いている。 「…まあ、なんとか…フォロー頼む」 「はい、まだこちらの窓にいます」 「そのまま、俺が出るまで引きつけておいてくれ」 「はい、気をつけて…優志さん」 「……」 東洞と瞳を交わし頷くと、優志はさっと車から降りる。 「行きました、右から…」 「一線!!」 右手で符を持ち構え… 東洞の声を聞き、右側を見て、大きく符を横に振り声を出す。 さらに…符をかかげ… 「汝が守護するもの…東、西、南、北…四方守護結界…発ッ!!」 優志の周りに立方体状の光の結界を張る。 「優志さん、後ろに、5時の方向…結界に張り付いてます」 東洞の声に誘導され振り返り…目を凝らす優志。 霊の影を捉え、再び符を構えると… 「諸々の罪穢れ…彷徨える魂よ一つとなりて此れ征す…封印結界術、術式壱…静止結界ッ発!!」 「入りました」 見えない何かを映す瞳、間髪入れず冷静に言葉を出す東洞。 「よし、闇に縛られし魔のもの…我の力を以ちて、基在る場所へと還れ…発ッ!」 強く言葉を発して、符を放つ優志。 すると、車の脇で… バチッ!! 符がいきなり弾け飛ぶ… 「おぉ…」 急なラップ音に驚いていると…

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