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第84話

「倉橋先生…あの国近さんのこと…分かります?オーラ…」 待ちきれない様子で東洞は陰陽師に聞いている。 「えぇ、少しお手を、失礼します」 陰陽師は俺の手を取ると、瞳を閉じる。 「はい…」 「失礼ですが、お歳は?」 そうして、目を開け…質問を投げかける。 「45才です」 「なるほど…確かに綺麗なオーラです、これほどのオーラを今の年齢まで穢れず維持してこれたのなら凄いことですね…」 感心する陰陽師… 「そうなんですか」 ゆたかへの後悔を持ちながら生きてきたけれど… 他には特別なことはしていないが… 「オーラが綺麗な人間は現代でも稀に生まれます、前世で徳を詰んだ方や、神の生まれ変わりの方など…」 陰陽師の倉橋は優しい口調で説明をはじめる。 「しかし人間として生きているうちに自然と清らかなオーラは穢れていくものです、でも貴方はそれがない…」 「凄いですよね!」 同調する東洞。 「はい、今では失われてしまいましたが、昔で言う、清め人と同等の力が貴方にはあります」 「清め人?」 「こちらをご覧ください」 何やら古い巻物を取り出し見せてくれる。 「ここには平安時代の陰陽師たちが妖魔と闘う様が描かれています、こちらの一団は我ら陰陽師…こちらは結界師、そして、こちらにいるのが霊媒師…」 「霊媒師の横に、寄り添うようにもう1人いますよね、これが清め人…中和師です」 巻物の絵に描かれた人々を見せて説明する倉橋。 「はるか昔には、身体に纏う気…オーラの力で場を清め、霊能力者たちの援護をしていた方々がいました」

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