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第86話

「じゃ、国近さんが近くにいることは、僕にとってプラスになるんですよね!」 「そうですね」 「優志さん、聞きました!?僕は、国近さんのそばにいてもいいんです、家に連れてきても大丈夫ですよね!」 そうたたみかけるように優志に言っている東洞。 「それとこれとは…」 優志は苦い顔をする。 「料理も作ってもらっても大丈夫ですよね!」 「……」 「東洞…」 2人の仲を心配して、止めようと声をかける。 「おやおや、何かこじれているようですね」 倉橋がやんわりと話に入る。 「いえ、別に…」 優志は首を振るが… 「優志さん…僕、」 東洞はまだ言い足りないようで… 「分かったからここで騒ぐな」 「はい…すみません」 怒られて、シュンとする東洞。 「仲良くね、それにしても、こんなに元気な尊くんは久々ですね」 そう優しく話す陰陽師。 「……」 優志は無言で視線を下げる。 「え?」 久々?いつも東洞はあんな感じだが… 「ごめんなさい…」 指摘されて、申し訳なさそうに謝る東洞。 「いえいえ、その方が尊くんらしくていいですよ。では、せっかくなので祈祷をしましょうか」 「はい!お願いします」 頷き笑顔を見せる東洞。

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