94 / 300
第94話
長旅もようやく終わり、元の駐車場にたどり着いた。
時刻は18時…。
まだ辺りは明るい。
ぐっすり眠っていた東洞は、起こすと清々しい目覚めで、また賑やかに話しはじめた。
「国近さんのオーラに当たってると心地よくて眠くなるんですよ」
などと言いながら笑っている。
うなされていたことなど、起きると微塵も感じさせない。
とりあえず、運転をしてくれた優志に礼を言い、車から降りて帰えろうとすると、東洞が耳打ちしてくる。
「車で少し待っててください」
「あぁ…」
そして東洞は優志の見送りをしているようだ…。
とりあえず自分の車に戻り、東洞が来るのを待つ。
しばらくして東洞がやってくる。
「国近さん、今日うちに泊まって行きませんか?」
「えっ?いや、着替えも何もないし…」
ニコニコしながらいきなり誘う東洞に驚きながら、断るが…
「ですよね、じゃまた今度、泊りに来てくださいね!えっと、少しお話ししたいと思って…お茶だけでもしてきいませんか?」
ニコニコしたまま、お茶に誘ってくる。
「まあ、そのくらいなら」
相変わらずの東洞ペースに流されながらも、頷き車を降りる。
「良かった、どうぞ!」
「天河守に言ってるのか?」
お目付役の存在を気にするが…
ともだちにシェアしよう!