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第102話
『お父さん、僕も柚木くんと外で遊びたい…柚木くんも、優志さんも、外から来るのに、どうして僕は出ちゃダメなの?』
『尊…ずっと言っているだろ、お前は特別な力がある、外に出たら怖い目に合うんだぞ』
『柚木くんは、怖くないって言ってるよ、外は楽しいって…』
『一般の人間にはなんでもないことでも、お前には違う、お前は一般の人間には見えない物が見えている、門の外に怖い物がいっぱい見えるだろう』
『……』
同じものが見える父親の言葉を、真剣に聞く尊。
『お前には、その悪鬼を引き寄せる力がある…』
『なんで?』
『…霊媒師の家系の者だからだ、悪鬼に関わらない為には、この屋敷の中で過ごすのが安全なんだ』
代々守られてきた決まり事…
異質なものを奇異の目で見られる現代では、一般の者の中で、霊媒師は生きていけない。
『……でも、僕、外に出たい、少しだけでいいから…』
どうしても出てみたい、その強い憧れの想いは抑えられない。
しばらく考えて…ゆっくり許す言葉を紡ぐ父。
『……、分かった。そこまで言うなら…』
『本当に!』
父親の言葉に目を輝かせる尊。
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