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第110話

そして、柚木の金銭欲はとどまるところを知らず… 遂には、あんなことに… 尊を放課後に連れ出し、自宅で仲間を集めて賭けをして稼ぐようになっていた… そんな中… 賭けで負けた男子高校生が、イラついて尊の髪を引っ張り暴れ出す。 『くっそー!あと少しでッムカつく!!何なんだてめーは、イカサマしてんじゃねーだろーな!』 『…嫌っ痛い…やめて!』 ビクビクして過剰に怖がる尊を見て… 『なんだこいつ、反応おもしれー』 男子生徒は… 『柚木、腹いせに、こいつちょっとイジメていい?』 そんなことを言い出す。 『あぁ?……1時間1万円な』 TVゲームをしながら、少し考えて答える柚木。 『げ、金取るのかよ』 『当たり前だろ、出さねーなら帰れ』 『わーったよ、ほら1万』 『なんだよ、まだ持ってんじゃねーかよ』 そう笑って金を受け取る柚木… 『好きにしていいんだろ?』 『あぁ、1時間な』 そうタイマーを渡し、柚木はゲームを続けている。 『奥の部屋連れていくぞ』 『あぁ、見えるところは傷つけんなよ、面倒な奴がいるから』 『オッケー、おら行くぞ』 尊の腕を掴み連れて行く。 『や、やだ…柚木くん、助けて…』 『……』 その声を…聞こえない振りをする柚木。     

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