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第112話
『…や、いやだ、痛ッ…やめて!』
必死に逃げようと転がるが…
『逃げるな!ハァ…』
ガッと肩を抑えつけ…
男子は尊の上に馬乗りになる。
『っ…ふぅ…うッ』
泣いている尊の顔を確かめるように…
長い髪をよける。
『へぇ、よくみりゃ可愛い顔してんじゃねーか…』
『…や、怖い…』
『ふ、顔は殴れねぇからな…』
そういうと、男子は嫌がる尊の頬を舐め…無理矢理唇を奪う…
『ッ!う、うぅ…いや、』
『ハァ…やべえな、男子相手に興奮してきちまった…』
『……、ふ…やだ、助けて…』
なんで、助けてくれないの?
柚木くん…助けて…
怖い…怖い…
涙が止まらない…
『……はは、本当、イジメ甲斐があるな…次は何してやろうか?』
『……、』
怯えながら、ふるふると首を横に振る。
『触られるのはどうだ?』
服をたくし上げ、胸の辺りに触れていく…
『ッ…やだ、ぁ!』
『ん?なんだこれ…刺青?』
確認すると、心臓の上あたりに丸く大きい刺青のような黒い形が刻まれている…
『や、触らないで…ッ』
『嫌なのかコレ触られるの?』
『や、やめて…お願い…』
『嫌なら余計やりたくなるよな…傷つけてやろうか?』
『ぁ…嫌ッ、駄目ッハァ、ハァ…』
尊は身体を捩り、その刺青に触れられないように隠す。
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