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第124話

『でも、僕が勝ったら、お友達が怒って…怖いこと…する、でも勝たなきゃ…柚木くんが…』 震えて顔つきが怯えたような表情に変わる尊。 『え?尊?…どうした、ゆっくりでいいから、友達が何を尊にしたんだ?柚木が何だ?』 震える尊の背をさすり促す。 『怖い…痛いことや気持ち悪いことして…僕をいじめる…好き同士じゃないのに、むりやり消毒してくる…なんで?』 『何?…その友達が?柚木は?』 『柚木くん、1時間1万って…金払ってるって何?…助けてって言っても、なかなか来てくれない…僕が苦しいって言っても…早く助けて欲しいのに…どうして?…ふっ…うぅ』 辛い記憶を思い出して涙が溢れる尊… そんな尊の頭を撫でて、なだめながら…そっと聞く… 『尊…痛いことって、何をされた…?』 はっきりさせる為、さらにやんわり問い詰める。 『…叩いたり、つねったり…蹴られたり…洗濯バサミでいっぱい挟まれて痛いし、おちんちんもギュって握られたら凄く痛かった…』 『……嘘だろ』 尊が受けていた事柄が…あまりに衝撃すぎて…信じたくない思いで呟いてしまった… 『嘘?じゃないよ…』 純粋な瞳で訴えてくる。 『あ、いや…ちがう。そうだな、嘘じゃない、他には?嫌なことって…何された、気持ち悪いことってなんだ?』 首を振り、尊をなだめながら真相を聞いていく。     

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