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第126話
こんな、無垢な尊に…どうしてそんなことが出来るんだ…
『優志さん?』
『尊、もう柚木に会うな!』
『えっ、なんで…?』
『なんでじゃない!!そんな酷い目に遭って、まだ行きたいのかッ』
怒りの余韻でそう叱ってしまう。
『…柚木くんのせいじゃない…柚木くんは悪くないよ、悪いのはあのお友達だから…』
尊は柚木のしていることを理解できない…
『違う、悪いのは柚木だ…』
『どうして?ちがうよ、柚木くんは…』
『尊…!』
両肩を持って、制止するが…
『……ちがう』
首を振る尊。
『なら柚木のオーラは綺麗か?』
『…っ』
応えられない…
かなり澱んだオーラになってしまった。
『…お前も分かっているだろ、あいつは変わったんだ』
『…っ』
首をフルフルと振って…聞かないようにしている尊。
『もう二度と柚木には近づくな、お前が穢れるだけだ』
『ッ…優志さんの嘘つき!…話しても柚木くんと遊べるって言ったのに…』
『尊…』
『もう、優志さんなんか大っ嫌い!』
感情が抑えられず叫んでしまう。
『ッ…嫌われてもいい…俺は、お前の結界師だ…お前を守るためにいるんだ…柚木のもとには絶対行かせない…』
尊の瞳を見つめ、深い覚悟を持って言い切る。
『…優志さん』
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