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第167話

「……」 東洞は、羨望の目で一点を見つめている。 「な、なんだよ珍しくないだろ?朝勃ちなんか…」 そんなところを見られてさすがに気まずくて、前を手で隠しながら首をかしげる。 「射精するんですか?」 しかし東洞は真面目に聞いてきて…。 「いや、便所行けばおさまるから…」 「射精しないんですか?しなくても直る?」 「…東洞、とりあえず小便行くから…」 興味津々な東洞に弱りながら立ち上がろうとするが… 「待って、国近さんが射精するとこみたいです」 「は?馬鹿、そんなもの見ても何も面白いことはないから、つか自分の見ればいいだろ」 何を言い出すのかと驚いてしまうが… 「…見れないから、僕…射精したことないんです…」 「え?一度も?」 「はい…」 そう真剣に頷く。 「……」 その様子に言葉が出なくなる。 「…お願いします、見せてください…」 「東洞…、」 「僕も射精できるようになりたい…どうやってするのか、教えてください」 その顔は真剣そのもので… 「…やれやれ、本当、お前には敵わないな…じゃあ出す瞬間だけな…こっち来るなよ…」 苦笑いしながらも、東洞の真剣な様子を見ると、断るに断りきれず頭をかく。

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