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第170話

支度を整え。 キッチンで朝食を作りながら待っていると… 禊を終えた東洞が顔を覗かせる。 「……」 「東洞、落ち着いたか?」 「国近さん、すみません取り乱して…」 「大丈夫だ、泣いたら喉乾いただろ、キッチンにあった物で作ったハチミツレモンティーだ、飲むか?」 「はい、いただきます」 「うまいだろ?水分補給にはこれが一番飲みやすい」 「はい、あ、美味しい」 「だろ?」 「ありがとうございます」 「朝メシも作ってやってるから休んでろよ」 「いえ、僕も手伝います!」 「じゃ一緒につくるか?」 「はい!」 ようやく笑顔を覗かせた東洞に安心しながら一緒に台所に立つ。 その後、朝食を一緒に食べ、朝の話には触れないように、東洞の得意分野の話をして自信を持たせようとしてみる。 霊能者や霊媒師しか知らない世界。 一番の疑問を聞いてみた。 「死んだら人間はどうなるんだ?」 「死に方にもよるんですが、魂となってしかるべき場所へ還ります」 「然るべき場所?」 「宗教によって色々な言い方はありますが、一般的に天国とか天界ということが多いですね」 「天国?あるのかそんなもの」     

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