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第173話

「俺には守護霊はいないのか?」 「国近さんはもともとオーラが強くて見えづらいんですが、お二人ほど守護してくださっている方がいるようです、妖魔にかなり弱らされているようですが…」 「そうなのか…弱っている守護霊は元に戻るのか?」 「戻れる魂もありますが、大体が亡くなった際の念の力で守護しているので、回復することは困難です、力を使うたび弱り、守護霊としての力は消えてしまうこともあります」 「力が亡くなったらその魂は消えるのか?」 「いえ、ちゃんと天へ還り転生されます、守護する行為は徳へ繋がるのでちゃんと人間に転生できますよ」 「そうか…」 「…つまらないですよね、こんな話…」 「いや、なかなか興味深いよ、以前はゆたかのことがあったから幽霊関係の話は避けていたが、今は逆に知りたい気持ちの方が大きい、お前が信じられるヤツだからかな」 「国近さん…ありがとうございます」 「礼言われるほどのことじゃないだろ?」 「いえ、僕の話を飽きずに聞いてくださるだけで嬉しいです、みんなから見たらやっぱり僕は変な人だから…」 「そんなことはないぞ、皆それぞれ価値観が違うんだ、意見の合わないヤツだっている、いちいち気にするな、自分が信じたものだけ信じていればいいんだ、分かったか?」 「はい、ありがとうございます」 「本当に分かってんのか?ったく、やれやれ」 とりあえず朝の出来事は忘れてくれたようだ。 しばらくたわい無い話をして、その日は帰宅した。

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