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第175話
数日経てば元気になるだろうと思っていたが、よほど気にしていたのか、なかなか東洞にいつもの元気は戻らない。
ずっと気にしていたことで、俺になんとかしてもらおうとすがってきた訳だから…
やはり、このままほっては置けない。
途中までは正常な反応をしていたから男性生殖器の能力はある、トラウマのせいで、精神が拒絶しているだけで…
恐怖心を取り除き、東洞にもちゃんと射精が出来ることを教えてやりたい。
そうすれば東洞も自信がついて…いつもの元気な姿に戻れる筈だから…
それから数日後、例の話をするために声をかける。
「東洞、今日晩飯作りに行ってやるよ」
「えっ、本当ですか?嬉しいです!」
ニコッと微笑んで素直に喜ぶ東洞。
「まあ、たまにはな、食材見てメニューは決めるから」
「はい!楽しみです」
そうして再び東洞邸へ…
肉や魚が食べれない東洞の為に、豆腐田楽やコンニャクステーキ、卵のアレンジ料理など作ってやり、食べさせる。
「美味しいです国近さん!」
そう東洞は喜んでほおばっていた。
食事が済み…
どういうきっかけであの話に持っていくか悩んでいた時…
「あの、今日は泊まって行きませんか?」
「いや、会社帰りだし、着替え持ってきて無いしな」
「そうですか…あの、じゃ僕の部屋来ませんか?ゆたかさんに取り憑いて操っていた妖や他の妖魔の載っている図鑑のようなものがあるんですよ、見せてあげます」
「そうなのか、少し見たいかもな…」
「じゃ、こっちへ!」
帰らせたくないのか、色々な理由で引き留めてくる東洞。
そんな様子も可愛いが…
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