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第177話

「国近さん…いいんですか?!」 「お前、あれから会社でも元気ないだろ、仕事に支障が出たら困るからな…」 「お願いします…僕、大人になりたい…ちゃんとした大人に…」 「あぁ、大丈夫、教えてやるから」 優しく頭を撫でてやる。 新人、後輩の困りごと、解決するのも担当の仕事… たまたまこういう種類の悩みだっただけ… 教えるだけだから… 自分に言い聞かせながら東洞をベッドへ誘う。 「東洞、こっちへ…」 「はい…」 「緊張しなくても大丈夫、酷いことはしないから…」 「はい、国近さん…」 「ん?」 「いえ、ありがとうございます」 「バカ、何礼なんか言ってんだよ、大事なところ見られたくなかったら目隠しするが、どうする?」 「ううん、大丈夫…国近さんなら僕は…」 やや顔を赤らめ…答える東洞… そんな様子も可愛く映る。 「なら、少し下着をずらして、隣に寄って…」 出来るだけ冷静に、いつもどおりさり気に声をかけ、 ベッドサイドへ座り、東洞を隣に座らせ、片腕に抱き寄せる。

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