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第185話
「こいつも問題児だったんだが、今はよく働くやつになったからな、俺のいない間、東洞のこと頼むな」
山岸は7年程前に新人だった頃に担当した奴だ。
「国さん、問題児って…はいはい、よろしくね新人くん」
苦笑いしつつ、近づいて東洞に軽く挨拶する。
「よろしくお願いします」
山岸さん…
オーラは…それほど澱んではいない。
まずはオーラを見てしまうのが癖になっていて、心の中で呟く。
「まあ、気のいいやつだから心配するな」
安心させるよう東洞に声をかける。
「はい…」
「あれ、淋しそうな顔して、かなり国さんに懐いているんですねー、国さんは、一週間で戻ってくるから大丈夫!」
そう頭を撫でる山岸。
「はい…すみません」
「うん、よしよし」
「仲良くしてやれよ」
「もちろんですよ、素直そうだし気に入りました」
「そうか、よろしく頼むな、東洞について細かい事は後で伝えるから」
「はい!」
そうして東洞のことは山岸に一任して、次の週、予定通り出張に出かけた。
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