184 / 300

第185話

「こいつも問題児だったんだが、今はよく働くやつになったからな、俺のいない間、東洞のこと頼むな」 山岸は7年程前に新人だった頃に担当した奴だ。 「国さん、問題児って…はいはい、よろしくね新人くん」 苦笑いしつつ、近づいて東洞に軽く挨拶する。 「よろしくお願いします」 山岸さん… オーラは…それほど澱んではいない。 まずはオーラを見てしまうのが癖になっていて、心の中で呟く。 「まあ、気のいいやつだから心配するな」 安心させるよう東洞に声をかける。 「はい…」 「あれ、淋しそうな顔して、かなり国さんに懐いているんですねー、国さんは、一週間で戻ってくるから大丈夫!」 そう頭を撫でる山岸。 「はい…すみません」 「うん、よしよし」 「仲良くしてやれよ」 「もちろんですよ、素直そうだし気に入りました」 「そうか、よろしく頼むな、東洞について細かい事は後で伝えるから」 「はい!」 そうして東洞のことは山岸に一任して、次の週、予定通り出張に出かけた。

ともだちにシェアしよう!