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第187話

「だから…相手がいないなら俺が相手になってやるぜ?」 山岸は東洞の肩に腕をかけ、誘いをかける。 「……嫌」 国近さん以外の人には触れられるのも嫌…。 山岸の腕から逃れて… 「ん?」 「僕は…国近さんのそばにいたいだけです…キスとか、…そんなのは…」 でも、本当はキスしたい…国近さんと… 熱いオーラが流れ込んできて、凄く気持ちよかった。 でも恋人同士じゃないのに…キスは出来ない。 本にはそう書いてあったから… 俯いて口ごもってしまう。 「ふ、本当可愛いヤツな、お前…今すぐ食っちまいたいくらいだ」 「え?」 「ま、そんなことしたら国さんの信頼なくすから出来ねーけど」 「とにかく俺はお前のこと気に入ってるから、もっと仲良くなりたいワケ」 「……」 「…それでさ、同じ嗜好同士、試しに俺たち、一回やってみない?」 「…やる?何をですか?」 「えっ?そりゃ、アレに決まってるだろー…って東洞くんは段階が必要なタイプ?」 「段階?」 「ヤロー同士なら身体の相性見る方が早いだろ?それとも女の子みたいに付き合ってからーとかいうタイプ?」 「付き合う?誰がですか?」 「俺とお前だよ」 「え?付き合うって恋人ってことですよね?」 「そうだけど」 首をかしげる山岸。     

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