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第193話

無理やりゲイ動画を見せられる尊。 時折、山岸が髪に触れてくるが、初めて見る画像に身体が固まる。 裸の男が2人の男に組み敷かれていて… そして、男が挿入するシーンになると顔が強張る… 昔、自分がされたことがフラッシュバックして、身体が震え… 「い、嫌ッ…怖いッ!」 顔を両手で覆い、首を振って拒否する。 「どうした?大丈夫か?」 「止めてッお願い…」 震える声で懇願する。 「……東洞、わかった、ほら止めたから…」 「ッ…ふ、…っ」 発作のように息遣いが荒くなり、涙が溢れてくる。 「お前…、悪かったよ、泣くな」 そっと涙を拭う山岸に、びくっと身体を引いて逃げてしまう。 「……っ帰ります、」 「泣いてるお前を返せるわけないだろ」 さらに身体を寄せてくる山岸。 「…、大丈夫です、降ろしてください」 自分で涙を拭いて… 降りようとするがロックがされていて降りれない。 「家まで送ってやるから」 腕を掴んで引き止める山岸。 「今すぐ降りたいです…」 「ここからじゃ、1人で帰れないだろ?」 「……っ帰りたい、」 不安感から再び涙が溢れてしまう。 「はぁ、わかった!近くの駅まで連れて行くから、泣くなよ」 その様子に参ったように息をつく山岸。 「……すみ、ません」    

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