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《不安》

切れてしまった電話を見つめ… 「国近さん…」 ぽつりと呟く。 話、聞いてくれなかった… 僕と話すの嫌なのかな… 電話、迷惑だった? 僕は、1日でも早く会いたいのに… 国近さんは、そうじゃないのかな… 「……あと4日…、っ」 迷惑かけたら嫌われてしまうかもしれない。 だから、山岸さんとうまくやって、仕事頑張る、国近さんに褒めてもらえるように… 山岸さんは怖いけど、仲良くできるように頑張る。 胸を張って国近さんに会えるように… そう思っていると、携帯電話に着信が… 「……優志さん」 息をついて、電話に出る。 「はい…」 「お前、何処にいる?家に帰ってないだろ、」 「大丈夫、自分で帰れます」 「迎えに行くから場所は?俺の探知外に出るなって言ってるだろ」 「上司の方とお話ししてました」 「は?国近か?」 「いえ、国近さんは出張に行かれていません…」 「出張?誰にでもついて行くな、そこは安全なのか?」 「はい、駅の近くで…今は一人です」 「こんな時間に1人で歩き回るな、何がいるか分からないんだぞ、変な奴に憑かれてないか?」 「……はい、まとわりつかれてはいますが無視してます…タクシーで帰りますから大丈夫です」     

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