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《出会いと困惑》

一方、国近は…。 無事出張の仕事を完了させる。 東洞尊と距離をとる出張も、今日で終了し明日の朝には帰る予定。 あえて東洞のことを考えないよう飲み屋で1人晩酌していた。 酒の力で忘れようとしても、やはり気になってしまう存在。 「はぁ…」 最初は出来の悪い新入社員で、どちらかというと息子のような…そんな感覚だった筈。 手のかかる子ほど何とやらというが、あいつの背負っているものを知ってから、目が離せなくなって… あんなこと、手伝わなければ良かったか… しかし、東洞の喜んだ様子を見ると、やって良かったと思えるし… 要は自分の問題、東洞は可愛いヤツだが、それ以上の感情を持ってはいけない、いいおっさんが息子ほど年の離れたヤツに欲情するなんてことは、ただの変態行為だ。 俺はそんな人間じゃない筈だ、ゆたかのことが心にあったとはいえ、今まで仕事一筋、自制を保って生活してきた。 今までのように、しっかりしないとな…。 そう思い直し、酒を飲みほす。 「東洞尊…か、こんなんじゃ優志に術かけられるな…」 そう呟いた瞬間… ガシャン!! 国近の座るカウンター席の真後ろを通っていた青年店員が、コップか何かを落としてガラスが割れている。 「ん?」 振り返ると… 「あ、あんた、東洞尊を知ってるのか!?」 その店員は血相を変えて問い詰めてくる。 「え…」 『コラッ柚木!お客さんに謝ってさっさと片付けしろ!!』 すると他の店員に叱られている。

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