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第198話
「…ッ、すみません。…あんた、話がしたい、23時に終わるから待っていて欲しい…頼む」
切迫した様子で、小声で耳打ちしてくる青年。
「…あぁ、……」
今、こいつ柚木って呼ばれたよな…
まさか、柚木って…東洞の、過去の友達だったという柚木か?
青年の切迫した様子に、酒を飲みながら終わるまで待ってやることにした。
店の前で待っていると、柚木と言う店員が出てきた。
「すみません突然、でもあんたに聞きたくて」
「分かった、落ち着いて、話ならきいてやるから」
「東洞尊、知ってるんすか!?」
待ちきれないように訊いてくる。
「あぁ、まあ、あいつには助けてもらったり色々な」
同僚であることは隠しつつ、答えてやる。
「尊に、伝えて欲しい、助けて欲しいって、」
「どういうことだ?」
「俺、もう、」
「まあ、落ち着いて、今日は遅いから明日にしないか?明日会って詳しい話を聞いてやるから」
「ならうちに来てくれ、明日の朝9時頃」
「あぁ、いいよ、住所教えてくれ」
「絶対、来てくれよ、頼むから、お願いします」
「分かったから、今日は帰れよ」
必死な青年をなだめながら、とりあえず明日の約束をして帰らせる。
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