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第199話

そして翌朝、指定された住所を訪ねる。 古びたアパートのひと部屋。 そこに柚木はいた。 柚木はやはり昔、東洞と仲が良かった、そして東洞を金儲けの道具使って優志に術をかけられた本人だった。 「少し待っていてください」 玄関で待たされている間に、携帯電話に着信が… 「……東洞か、はい」 発信は東洞だ。 一応電話に出てみる。 『国近さん、おはようございます』 「あぁ、おはよう、どうした?」 『あの、もう帰って来られてます?』 週末、出張は終わっているはずだから。 「いや、まだ出張先だ」 『え、どうして?』 「あぁ、少し人と会ってな…」 『ひと?』 「だれッ?誰なのッ!?誰か入ってきたッ」 『え…、女のひと…?』 「っ…あぁ、ちょっと取り込んでいるからまたな」 『く、国近さ…』 突然部屋の奥から女の叫び声がして、東洞の電話を慌てて切り、駆けつける。 「どうした?」 「母さん大丈夫だからッ」 そこには狂ったように髪を振り乱し暴れている年配の女性をなだめている柚木がいた。 「落ち着いて、どうしたんだ?」 「嫌、熱い、熱い来ないで!!いやぁぁ!!」 暴れる女性の肩を抑えた瞬間、女性は叫び声を上げ意識を失った。 「……この人は?」 「俺の母親、もうずっとこんな状態なんだ」 「……」 母親だという、その人を見て言葉を失う。

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