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《フクザツな気持ち》

「はぁ…」 国近さんが帰って来ない… 土曜日には出張は終わっているはずなのに… もう戻っているかと思って電話したら… 誰か、女の人と会ってるみたいだった… 国近さん、彼女はいないって言ってたけど…もしかして、出張先で出会った人と恋人になって遠距離の恋愛をしていたんじゃ… だからうちの会社では彼女を作らなかっただけ…? 「………」 あんなに綺麗なオーラで、優しくて頼りになる国近さんに、付き合っている人がいない訳ないよね… みんなに隠してるのかな… でも、彼女がいるのになんで僕にキスしてくれたんだろう。 意味はないのかな、やっぱり教える流れで…とか、 僕、凄く嬉しかったのに… 『国さんが新人に優しいのは昔からなんだよ、お前だけ特別なわけじゃない』 不意に山岸の言葉が蘇る。 『いつまでも新人って訳にはいかないし、色々世話してもらえるのも今のうちってこと』 そのうち…国近さんに構ってもらえなくなるのかな… そんなの…いやだ。 でも、どうしたら……国近さん…。  

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